第126章 長谷川栞があなたに何か言ったの?

翌日。中尾美希は同僚たちの冷ややかな視線など意にも介さず、自分から「みんなにご飯をご馳走する」と言い出した。

彼女と仲のいい数人が口添えしたこともあり、小さな送別会はあっという間に決まった。

同僚側はこれで片づいた。残るは――中野航平のほう。

これまでの彼の態度を思い出し、美希は正面から航平に切り出すのを避け、中野蓮に連絡を入れた。

「もしもし、蓮。今夜、時間ある?」

「あるよ。どうしたの、美希おばさん」

蓮は素直に答える。

ママと約束したのだ。いい子でいる、と。破るわけにはいかない。

「今夜ね、送別会をすることになったの。蓮も来てくれない? おいしいもの、いっぱいあるよ」

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